正立方体の結晶を持つパイライトの母岩付き原石です。
大きい結晶だけでなく、小さい金色の結晶が母岩の中にもあります。
母岩の上でクラスター化しています。
オレンジ色の夕陽のような母岩がとてもロマンチック。
まさに黄金色の輝きです。
実は私はパイライトが大好きで...本当は何度も入荷しようと試みたのですが
入手しやすい石なので、当店で扱うには中々折り合いがつかず。
イタリアの業者さんとのご縁で、イタリア産のパイライトを手に入れることが出来ました。
イタリア産の石というだけでも、ちょっと珍しくないですか?
パイライトの主産地はスペインのようなので、地中海沿岸が産地なのでしょうか。
オレンジ色の母岩の美しさは、とっても個性的だと思います。
Pyrite(黄鉄鉱)
39x29X21mm
53g
Boccheggiano, Tuscany, ITALY
パイライト(黄鉄鉱)は鉄と硫黄からなる硫化鉱物の一種で、六面体、八面体などの立方体に結晶しやすく、粒状や塊となって集合体をなすことが多い鉱物です。パイライトの「パイ」はギリシャ語で火を意味し、「きつく握りしめると火傷をする」と古代ギリシャの書物には書かれているようです。
強い保護力で持つ人を危険から護り、意識を高める働きがあると言われています。キュービック・パイライトの主な産地はスペインで単一の立方体のみの結晶や、大きさの違う立方体が複数重なったマルチプルキュービック・パイライトも発掘されます。金と間違えられることから古来より「愚者の金」と呼ばれるそうです。
地中海の石灰岩のような母岩がよりこの地域の古代から続く文明のロマンを感じさせます。ローマやギリシャなどの遺跡からも発見されており、古代より他の金属と共に文明を支える鉱物の一つであったようです。磁鉄鉱や赤鉄鉱がなければその代わりに黄鉄鉱が鉄の鉱石の主役になっていた可能性もあるそうです。
鉄には文明や産業を支えるようなスケール大きな創造性を形にさせる底力や現実的な思考によってアイディアや物事を形にさせる、具現化させる働きかけをするように思います。
パイライトの素晴らしさは、持ち主に太陽やゴールドのような自己肯定感や強い自信を与えてくれることです。その人の持っている内側の輝きをより一層強くさせ、明るく前向きな気持ちにさせてくれます。私がパイライトが大好きなのは、ゴールドほど野性的でなく控え目で知的な感じがするからかもしれません。ゴールドのような生命力溢れたプライドは、時に子供っぽさや幼稚さを招きますが、パイライトのいぶし銀のような落ち着いた輝きは、積み重ねて来た確かな物に対する自信、大人の自信と言った感じがします。
太陽を司る獅子座がゴールドならば、真裏にある水瓶座の輝きがパイライト、と言った感じでしょうか。太陽の星座の反対側にある水瓶座は、もっとも太陽の恩恵が少ない星座と言われています。金のようで金でないパイライトは、そんな水瓶座の佇まいを象徴しているような気がします。