ドロマイト仮晶の原石です。
ドロマイト(苦灰石)は六方晶系の鉱物でこちらのように板状に結晶します。
六方晶の六方体の形がこちらの原石でもよくわかりますね。
どこか化石チックなのは仮晶されたからでしょうか。
ドロマイトはカルシウムがマグネシウムに置換されたものとされています。
カルサイトやアラゴナイトのお仲間で、石灰岩のカルサイトからドロマイトが作られると考えられています。
いずれも置換されたものは不透明で白やクリーム色の化石のような風合いになります。
岩石のような赤色とゴツゴツとしたダイナミックなテクスチャー
ワイルドなかがら化石のようなアンティークな雰囲気を醸し出しています。
産地はアメリカで、ニューメキシコ州で同類の産地があるようです。
Pseudomorph dolomite(苦灰石・白雲石)
50x44x9mm
36g
USA
仮晶とは鉱物の結晶の外側の形だけ残し長い年月の間に中身が消失し、別の鉱物によって置き換わった(置換)結晶のことを指します。
ドロマイトの場合は、石灰の堆積層のカルシウムが海水のマグネシウムに置換して生成されたと考えられています(CaMg(CO3)2)。日本国内では石灰層で産出し、混合成分によって色味が違うようです。薄いピンク色なのはマグネシウムの作用です。酸化鉄が入ると褐色になります。
ドロマイトの仮晶で方解石(カルサイト)や露石(アラゴナイト)になるものもあります。
ドロマイトは六方晶系で、六角形は雪や水の結晶にも表れる形です。ヘキサゴンですね。神秘主義やシンボリズムにもよく現れる形で、魔法陣もこの形です。結晶の原型でもあることから強いパワーを示すと考えられています。
こちらは見事に六角形が残っており、平らなので形もわかりやすいです。周辺部分もまるで雪や水の結晶のように切込みが入っており、表面や裏面も細かな浸食の痕が見られ、まるで化石を見ているかのようです。
化石のような生物の置換もカルシウムが置換されて起こります。ドロマイトの場合はナチュラルな石灰層のカルシウムが海水のマウネシウムに置換されて出来たと考えられており、生成過程はほとんど同じです。ドロマイトの穏やかな風合いは、海水の浸食によって生まれた鉱物だからでしょうか。まるで時が止まったような郷愁を誘うような懐かしさと見事な六角形の原型はとてもパワフルだと思います。
最近カルサイトのことを調べていたら、カルサイトがドロマイトととても近い鉱物だと知りました。カルサイトからドロマイトやアラゴナイトが作られる。それらは石灰岩の中にあり、大理石は石灰岩から生まれます。ドロマイト仮晶の雰囲気に魅かれたのも、大理石のような色合いがあるからかもしれません。