ポーランド産のシャーレンブレンド
ベルギーやドイツなどスラブ地方で発掘されます。
ポーランドのオルクシュ産が主産地のようです。
まるで絵画のような不思議な紋様を描くシャーレンブレンド
この石を見てると「スラブ」という言葉が思い浮かんで、調べてみるとこの石の原産地でした。
スラブというのはスラブ人がいたエリアのことで、ポーランドやドイツからロシアまで
旧共産圏の東欧を指します。
絵画のような芸術に関するインスピレーションを与えてくれそうな石。
スラブで検索するとスラブ人の芸術家ミュシャが出て来るのですが
ミュシャの作品はまさにシャーレンブレンドのような唐草模様を描いています。
ガレーナなど複数の亜鉛の複合鉱物が入り混じって出来たもの。
黄色い成分は閃亜鉛鉱またはウルツ鉱(硫化亜鉛)
まるで化学反応のようなぐにゅぐにゅとした不思議な模様を生み出しています。
瑪瑙(アゲート)によく似た模様ですが、こちらを見ていると瑪瑙は馬の脳みそと書くのを思い出しました。
鉱物は身体の一部のような造形が多く、人間は地球の一部とつくづく思います。
亜鉛鉱は水に溶けると微量の毒性があるので、触った手を舐めたりしないようご注意ください。
Schalenblende, Galena(方鉛鉱) Marcasite(白鉄鉱), sfalerite(閃亜鉛鉱),wurtzite(ウルツ鉱)
58x50x12mm
64g
Pomorzany mine, Olkusz, Poland
シャーレンブレンドはドイツ語で「響く石」という意味だそうですが、Schalen(貝殻)blende(閃亜鉛鉱)という意味になので、「貝殻のような石」という意味になるようです。幾重にも重なる模様が貝殻のように見えるからかもしれません。表面を研磨することで独特の模様が浮かび上がります。亜鉛の鉱物ですので微毒性があり、触れた手を舐めるなどは止めましょう。
東欧の亜鉛の鉱山で発掘されます。亜鉛の産地は世界各地にありますが、シャーレンブレンドのように独特の模様を見せる鉱物はこの地域だけではないでしょうか。
成分のガレーナは霊性よりも数学や計算、物理などの科学的な物質を生む創造力を刺激する気がします。
未知のテクノロジーを創造するエリアを司っているのかもしれません。
鉱物たちの共演が見せるドラマチックな景色に胸を射抜かれました。亜鉛のようなメタリックな元素がこんなにも絵画的なデザインを生み出すとは!自然の不思議を感じます。シルバーのメタリックな輝きの中にクリーム色のアンティークな模様が広がり、古い建築物や廃墟のような歴史を感じさせる石。
迫力がありながらアンティークな趣がヨーロッパの歴史や東欧の芸術を感じさせるシャーレンブレンド。哀愁がありながらガレーナの青光りする輝きはとても華やかです。クリエイティブな能力を刺激する気がしますが、それはフローライトのような発明や閃きではなくて、職人仕事のような技巧や緻密さを要する分野のような気がします。大きなうねりが模様となったシャーレンブレンドは、とてもパワフルな外観です。レトロな色合いもとてもオシャレです。