ポルトガルの鉱物の名産地で採掘されたほんのりピンク色を帯びたサーモン・ピンククォーツ。
サーモンのような色味と、βクォーツになりそうなニョキニョキ生えた生き物感がかわいらしく、入荷しました。
アメジストでよく見るシード型の形態です。
ポルトガルは両剣水晶の産地で、ホワイトクォーツでも素晴らしい両剣水晶があるのですが、こちらももしかしたら?両剣に向かって成長していたのかもしれません。
小さな物しかないのですが、ピンク色のクォーツ自体がとてもレア。
コロンとした丸みとパステルカラーが愛らしい。
アクセサリーにもよいと思います。
Quartz Crystal(水晶)
30x19×16mm
9.7g
Bendada Mines, Bendada, Sabugal, Guarda, Portugal
赤やピンク色のクォーツがなぜその色になるのかは様々で、ヘタマイトのような鉄分やマンガンの影響が多いようです。ヘマタイトのようなインクルージョンが混入した石は宝石に成りにくいのだとか。強度の問題もあるのでしょう。
サーモン・ピンククォーツのピンク色が何の成分によるものか不明ですが、赤土色のようにも見えるので、ヘマタイトの影響ではないかと思われます。産地のBendada Minesはパープライトの産地で、赤紫色の石が採れるようです。スペインとの国境近くのエストレーラ山脈にある鉱山地帯で、多くの鉱物が採れる名産地です。
βクォーツタイプのシード状のクォーツは、高温によって生まれます。大きな地殻変動や熱変化があった過去があり、地球の活動の歴史が刻まれています。地球の過去を強く記憶している石だと思います。
シード状の水晶の結晶は色付きが多いです。アメジストやシトリンにありましたが、ピンククォーツでも発見しました。やはり何らかの熱変化によって誕生する石であり、地殻活動の記憶を強く持っているとも言えるでしょう。その分地球からのメッセージ性を多く持っている石だと思います。
ジェネレーターのような整ったファセットが多いのに、柱面は形成されずキーのようなザクザクとした刻みが入っているものばかり。まるで成長途中の水晶のようで、両剣水晶に向かっているのかな?と思わなくもありません。
ポルトガルの業者さんとのご縁から入荷しました。行ったことはないのですが、イベリア半島の西半分はほぼ緑豊かな高山地帯で、スペインと文化圏を共有しているのに環境は大分違うのだなと思います。リスボンのように古い街並みが保存され情緒豊かな古都もあり、コンパクトシティとして注目を集めています。