不思議な趣のある水晶と言われるプシュカル水晶。
一見すると粗削りな水晶に見えますが、内部に不思議な光をたたえている水晶です。
最初に手にしたプシュカル水晶に真っ白い粘着物がびっしり付いてました。
てっきりミネラルダッグかと思って洗ったら、どんどん出て来たんです!
カルシウムだそうですが、まだ生きている水晶なのだと思いました。
こちらはびっくりするほど音を奏でるシンギングクリスタル。
まるで楽器のように手に取っただけでキンキンと鳴り始めることに驚かれると思います。
ファセットはダウではないですが、整ったメインファセットを中心にバランスのよく並んでいます。
頂上付近のはっきりしたファントムは健在です。
柱面のマークのような立派なキー、手を置くのにぴったりのセルフヒールドされた大きなくびれのようなキー。
すくっと伸びたきれいな形のポイントで全体的にとてもハイクオリティなプシュカル水晶です。
コロンビアのブルースモークとは違ったブルーグレーの光を持ち、温かい光が内部で光ります。
菩薩のような穏やかさと慈愛に満ちた光。
青い表面に対して、内側には温かい明るい光が見えます。
インドの歴史やヨガなど宗教や文化に詳しい方は、プシュカル産の水晶というだけでも貴重なのではないでしょうか。
内側からこちらを観ているような不思議な佇まいのある石です。
Quartz, Rock Crystal(水晶、クリスタル)
147x25x24mm
146g
Pushkar, Rajasthan, India
プシュカル水晶は、インド西部のプシュカルにある創造神ブラフマーを祭るブラフマー寺院近くの鉱山で発見されたクリスタルです。プシュカルはヒンドゥー教の5大巡礼地の一つであり、インド最古の街でもあります。ヒンドゥー教の聖地の中でも最も古いと言えるでしょう。
インド最古の街プシュカルに、宇宙の創造神ブラフマーが祭られているのは象徴的です。少し北東に行くと、ジャイプールやニューデリーがあり、この辺りは古代からインドの文明の中心地です。インドの文化圏はパキスタンと接している西側にあるのですね。
創造神ブラフマーは「地、水、風、空、火」の五つの要素を作り、天と地を作り出したと言われます。仏教では梵天に当たります。
プシュカル水晶には白い付着物があり、シリカやカルシウムだそうです。
創造神ブラフマーの聖地のプシュカル水晶ですが、菩薩のような穏やかさと慈愛に満ちており、こういう水晶はちょっとないなあと思います。形は荒さがありますが、大きさのわりに重く、エッジはシャープです。
ブラフマーは宇宙の始まりを示す神様。その聖地であるプシュカルは、インドの中心地域にあり、文化的にも宗教的にもとても重要な町なのだと思います。このような地域に鉱山があり、水晶が発掘されることは驚きですが、聖地には人を惹きつける土地の力があると思います。それがその地に眠っている鉱物や水晶ということもあるでしょう。不思議なのはプシュカル水晶がブラフマーのような男神ではなく、菩薩のような穏やかさのある石なこと。それがこの世の本質なのかなと思えて来ます。