鮮やかな蛍光色のエクリプス。
バンブルビージャスパーです。
エクリプスは日食のことで、この石が黒地に黄色の模様が浮かび上がることから名付けられました。
石のカットによっては黄色一色になったり、こちらのように黒や灰色とストライプのものも。
日食のような輪や眼状のものまで。
現地では黄色い部分が多く発色がきれいなものほど価値が高いです。
こちらはマスタード色の部分がアゲート質になっています。
光にかざすと透過する半透明なのです。
オレンジ色の部分が石化したジャスパー
黒い部分から薄っすらとマスタード色部分まで半透明になっているアゲート
二つの石の感触が味わえるトップクオリティのルースです。
アゲート部分は結晶ラインが滑らかに曲線を描いており、昼と夜のエクリプスそのもの
そして明るい太陽光のようなオレンジ色のジャスパーとのコントラストが見事です。
滑らかに研磨されカットされています。
BUMBLEBEE ECLIPSE JASPER
48x27x5mm
51cts./10.2g
インドネシア産
エクリプスはまだ謎が多い石で、一応ジャスパーの一種とされていますが、確かなことはわかりません。インドネシア産がほとんどで、インドネシア以外で産出されているかどうか不明です。インドネシアは火山国で現在進行形で火山岩から天然石が作られている地域です。エクリプスの鮮やかなイエローオレンジは硫黄ではないかと言われています。エクリプスの黒は溶岩の色そのものですね。
エクリプスは「マスタードジャスパー」とも呼ばれます。日食のような輪が出る方向にカットされたものがエクリプス、そうでないものが「マスタードジャスパー」として扱われています。
バンブルビー(マルハナバチ)というハチは、体に対して小さすぎる羽を持っていて、力学上飛ぶことは不可能だそうです。飛べないはずのハチが飛ぶことが出来る。そういう意味ではバンブルビーは「不可能を可能にする」という意味の象徴でもあります。皆既日食のような天体イベントは「昼が夜になる」という本来なら不可能な、ありえない現象です。こちらの石にはなぜか「不可能を可能にする」という意味が強く表れており、それはやはりこの石の持つパワーのせいかもしれません。
昼と夜がひっくり返る、太陽と月が一つになる。この世には飛べないはずのハチが飛んだり昼が夜になるようなことが起きる。私たちが当然だと思っていた時代や生活が、ひっくり返ったように価値観や時代が変わる。バンブルビーには当たり前のことが当たり前でない、そんなメッセージがあるように思います。太陽を隠し昼を闇にする日食は国や時代によっては不吉な前兆とされていました。それは既存の権力が覆されたり常識がひっくり返されるような暗示とみなされていたのかもしれません。