ガーネッシュヒマールのヒマラヤ水晶。
テッシンハビット(Tessin Habit/Transitional Habit)と呼ばれる、平らな柱面を持ちながら、先細っている水晶です。
ピラミッドのようにステップ状に成長しながら、母岩側はふくらみがあり、トップは細く尖っている。
螺旋状の渦巻きが焦点に向かって伸びているような水晶で、とても力強いものを感じます。
こちらは一緒に入荷したヒマラヤ水晶の産地Tiplingから1kmほど離れた別の産地。
透明感や輝き、リモナイトの付着など、モンドクォーツによく似た趣のある水晶です。
去年からリモナイト系の金色のヒマラヤ水晶が続々出ています。
元々ヒマラヤ水晶の透明度の高さに、金色の輝きが加わるので、ハイクオリティな水晶に。
陰気が強いヒマラヤ水晶の中で明るさがあるので、私も昔から好きで集めています。
テッシンハビットも素晴らしいですが、タビーの鏡面のような柱面や照りも見逃せないです。
Clear Quartz, Rock Crystal(水晶、クリスタル)
54x18x16mm
15g
Sertung-Dhading District, Ganesh Himal, Nepal
インド亜大陸がユーラシア大陸にドッキングして生まれたヒマラヤ山脈。その激しい造山活動によって生まれたのがヒマラヤ水晶です。地中の亀裂(ベイン)に染み込んだ石英から生まれる水晶は、小さなポケットが多く、一度にたくさん採れません。ヒマラヤ水晶は様々な形をした個性的な水晶が多いのですが、違うベインからは異なる形の水晶が発掘されるためだとか。そのため、バラエティに富んでいてユニークな形が多いのでしょう。
テッシンハビット(Tessin Habit/Transitional Habit)は、スイスのテッシン州が語源で、この産地から産出される水晶にある特徴です。西アルプスのこの地域はペンニン帯という地質ゾーンがあり、高温でゆっくり成長することによってこのような形になるそうです。
パキスタン産のヒマラヤ水晶にもよく見られるので、アルプス・ヒマラヤ造山帯が産地なのでしょう。
とても力強いテッシンハビットの陰陽ツイン。ポイントもタビーもこんなにはっきりしたものが共生しているのはレアだと思います。ポイントの先端は小さな正三角形のファセットが縦に三連に連なっており、テッシンハビットが段階的に成長しているのがわかります。尖っているのがテッシンハビットなのに、なぜか立派なタビーも一緒に発掘されています。ティプリンはヒマラヤ水晶の名産地ですが、相反するエネルギーが共存する、陰陽ともにエネルギーが強い地域なのかもしれません。
この地域のヒマラヤ水晶のクラスターは渦巻いているのが多いのですが、プラスとマイナスのエネルギーが渦巻くとクラスターに、分離すると鋭利なテッシンハビットと真っ平なタビー水晶が生まれるのでしょうか。分離しながら一緒になっている陰陽ツインは、この産地のエネルギー体がよくわかる水晶だと思います。
片方が極のように尖っていて、もう片方はふっくらと丸みがある。尖っているのはレーザークォーツとよく似ていますが、レーザークォーツのように細長くはありません。渦を巻くようにドリルのように成長したように見えます。ヒマラヤの強いボルテックス。水晶の成り立ちも水晶そのものも、とても強いエネルギーを示しているように思います。